The Façade and Reality of the Asian Infrastructure Investment Bank

The Façade and Reality of the Asian Infrastructure Investment Bank Eisuke Suzuki❋ The prospective membership of the Asian Infrastructure Investment Bank (AIIB) led by China reached 57 countries, announced the Chinese Treasury Department on…

「アジア・インフラ投資銀行」(AIIB)の虚像と実態

「アジア・インフラ投資銀行」(AIIB)の虚像と実態 鈴木英輔∗ 中国が主導する「アジア・インフラ投資銀行」(AIIB)の加盟予定国が当初の予想をはるかに凌ぎ、現在加盟国となるとその意思を表明した国の数は既に57カ国にもなった、と中国財務省は4月15日に…

「政策決定への理論」  

「政策決定への理論」と題するイェール・ロー・スクール(イェール大学法学院)からニューヘーブン学派(New Haven School) と呼ばれる法政策理論を詳しく説明した小論を以下に発表いたしました。鈴木英輔 関西学院大学紀要『総合政策研究』第48号、201…

Caveat Emptor about the AIIB

Caveat Emptor about the AIIB Eisuke Suzuki It is undisputed that Asia’s financial requirements for new bridges, roads, ports, power plants and other infrastructure projects are gigantic. It is also acknowledged that funding sources availab…

戦艦「武蔵」の映像に思うこと

戦艦「武蔵」の映像に思うこと 鈴木英輔 戦艦「武蔵」の最後がより鮮明に水深1100メートルの海底から映し出された。 今まで考えられていたよりも衝撃的な姿であった。 実況放送の最後に、プロジェクトの調査スタッフらは船内に集まり、戦死者に黙とうを捧げ…

「戦後国際秩序」の崩壊の始まり

「戦後国際秩序」の崩壊の始まり 鈴木英輔 「イスラム国」と自称する非惨で非情な犯罪組織が第一次大戦の戦後処理としてサイクス・ピコ協定の下で創りだされてきた国境を消し去り、自らのデザインで新たな国造りを狙っていることも、現在進行している領土に…

NHKのとんでもない言語感覚

NHK という所はとんでもない言語感覚を持ているところだねぇー。全く面食らったよ。なんだ、「イスラム国」という名をつけて「国家」としての承認を受けていない集団を「国」として扱うことは良くないから「イスラム国」という名称は今後使用しないという。…

“The Islamic State” and a Challenge to Postwar International Order

“The Islamic State” and a Challenge to Postwar International Order Eisuke Suzuki✳ “The sound of the bell of Gionshoja echoes the impermanence of all things,” begins The Tale of the Heike. The postwar international order established by the …

India's Challenge at the BRICS Bank

India’s Challenge at the BRICS Bank Eisuke Suzuki✳ Frustrated by the failed implementation of far reaching reforms in a major overhaul of the IMF’s quotas and governance approved in December 2010, Brazil, Russia, India and China brought in…

China's Claims for Territorial Acquisition in the South China Sea

China’s Claims for Territorial acquisition in the South China Sea In May 2009 China sent two Notes Verbales to the UN Secretary General requesting that they be circulated to all UN Member States. The 2009 Note Verbales included China’s uni…

いつか来た道――明治新政府の朝鮮との国交回復交渉と今

鈴木英輔 お隣の国、韓国、との関係は全くといって良いほどに改善する兆候は見えません。 ここで過去にどのような形で日朝の国交が回復されたか、もう一度想起するのも良いのでしょうか。 「我を知つて彼を知らず。その人、沈深狡獰(こうどう)、固陋傲頑(こ…

Chinese Propaganda: The Post-War International Order with Chinese Characteristics

Eisuke Suzuki China’s recent propaganda campaigns against Japan are extraordinary. They have been carried out systematically and deliberately in concerted efforts by government agencies around the world. Foreign Minister Yang Jiechi remark…

Sample page of "Diary of a London Call Girl"

This is somewhat old sample pages from the diary of Dr. Brooke Magnanti, a scientist and a London call girl, who wrote a blog as "Belle de Jour" before she came out, and still she continues her blog. She has written numerous books and essa…

内閣法制局の「集団的自衛権」に関する解釈を超えて:日米安全保障体制の再検討へ

私の論文「内閣法制局の『集団的自衛権』に関する解釈を超えて:日米安全保障体制の再検討へ」がネット上で読めるようになりました。 『総合政策研究』第46号、pp27-66。 http://kgur.kwansei.ac.jp/dspace/bitstream/10236/12211/1/46-4.pdf

日本相撲協会の北の湖理事長の不思議な発言

鈴木英輔 横綱白鵬が史上3人目という偉業を成し遂げたことに関して、白鵬の引退後の「一代年寄」という「名跡」を取得する可能性は存在しない、と北の湖理事長は断言したそうです。理由は何かと思えば、相撲協会の規定に「年寄名跡」の取得資格に「日本国籍…

「自分たちのサッカー」

「自分たちのサッカー」 鈴木英輔 W杯ブラジル大会での「サムライ・ジャパン」のサッカーををテレビで見ていると、何だか虚しくなる。落胆とか、無念とか、怒りなどではなく、悲しさと言ったほうが正しいだろう。他の国のサッカーチームは気迫があり、スピー…

「国連中心主義」とは何か

「国連中心主義」とは何か 鈴木英輔 日本が国連の加盟国になったのは、1956年です。サンフランシスコ講和条約発効後4年も経っています。そもそもサン・フランシスコ講和条約自体が、その条約作成と関係諸国間での交渉というものが、冷戦という「世界的規模に…

ウクライナの危機―民族国家の意味と「国民国家」という概念の持つ混乱

ウクライナの危機―民族国家の意味と「国民国家」という概念の持つ混乱 鈴木英輔 「国民国家」とは一体何を意味するのでしょうか。かつては「民族国家」と言われていました。今風に説明されているものには、ひとことで言えば、政治権力により国民統合がなされ…

中国の宣伝する「戦後秩序」とその真の狙いは

中国の宣伝する「戦後秩序」とその真の狙いは 鈴木英輔 最近の中国による組織的に且つ世界的に展開されている一連の反日プロパガンダには眼に余るものがあります。その核心ともいえるものが「戦後秩序」です。これまでの全ての反日プロパガンダは、その戦後…

The Question of Crimea's Independence

Six years ago, on March 26, 2008, I wrote the following essay for Business Recorder, Pakistan's premier financial daily. Crimea declared independence from Ukraine. The West denounces the secession of Crimea from Ukraine as illegal under bo…

日本の「自衛官」が殉職する時は・・・

日本の「自衛官」が殉職する時は・・・ 鈴木英輔 アメリカ合衆国と「特別な関係」を持っていると自負する歴史的な同盟国である英国は、2001年から始まったアフガニスタン戦争に参加している北大西洋条約機構(NATO)の加盟国のうち、米国を除けば、派遣兵士…

映画「羅生門」と小説「羅生門」の教訓:選択と何のための選択か

映画「羅生門」と小説「羅生門」の教訓: 選択と何のための選択か 鈴木英輔 I. だれでも、一人の人間として、自分が属する地域社会で生活を営み、毎日、仕事をしていく職場なりオフィスに行き、みずからの意思で自分の行動を起こすときには常に選択が伴い…

国際協調主義に不可欠な「一体化」のための「自己」の確立

鈴木英輔 憲法前文では「自国のことのみに専念して他国を無視してはならない」ことを、「普遍的なものであり、この法則に従ふことは、自国の主権を維持し、他国と対等関係に立たうとする各国の責務である」と高らかに宣言したのです。グローバル化が進めば進…

国際関係における「力」の役割

国際関係における「力」の役割 鈴木英輔 国際関係の営みというものは政治であり、マックス・ヴェーバーが云うように「権力の分け前に預かり、権力の配分関係に影響を及ぼそうとする努力」なのです(マックス・ウェーバー『職業としての政治』)。 それが対外…

内閣法制局の「集団的自衛権」の解釈とその「無謬性」の神話

内閣法制局の「集団的自衛権」の解釈とその「無謬性」の神話 鈴木英輔 日本の安全保障の政策方針と内容に対して決定的な影響力を行使するアクター(行動主体)は、対外的には米国であり、「安保条約を軸とした戦後の日米関係を根幹で規定してきた」ものは、…

ものの考え方

ものの考え方 鈴木英輔 何をするのにも、何故、何のためにするのかを考えることが大事だと私は考えます。これは政策指向というより政策志向といった方がより正確なのかもしれませんが、何の目的のために特定の行動をとるのかを考えることです。ある人が目標…

The Origin of the Territorial Dispute of the Senkaku Islands

The Origin of the Territorial Dispute of the Senkaku Islands Eisuke Suzuki The Wall Street Journal has nervously peeked out of the closet by acknowledging that “the U.S. took the Senkakus from Japan after World War II and returned them in …

誰が瀬島龍三を護ってきたのか。

誰が瀬島龍三を護ってきたのか。 鈴木英輔 『正論』の創刊40周年を記念する2013年11月号に驚嘆させる論文が載せられている。佐々淳行氏の「瀬島龍三はソ連の『協力者』だった」というものだ。ご存知のように佐々氏は第三次中曽根内閣が創設した内閣安全保障…

「武力」の解釈に対する「非武装・平和主義」の弊害

「武力」の解釈に対する「非武装・平和主義」の弊害 鈴木英輔 1.「武力」を伴わない「自衛権」と「武力行使」を伴う「自衛権」 憲法第9条第1項の「武力による威嚇又は武力の行使」という語句は、国連憲章第2条第4項の以下の規定から来ている。 「すべての加…

集団的自衛権と「一体化論」の矛盾

鈴木英輔 政府の統一見解によると、「集団的自衛権」の定義は「国際法上、国家は、集団的自衛権、すなわち、自国と密接な関係にある外国に対する武力攻撃を自国が直接攻撃されていないにもかかわらず、実力を持って阻止する権利を有するとされている」と規定…